【LADYLIKE】習字の思い出

私はまあまあみなさまにお読みいただける
字を書けると自負しておりますが、
それもこれも親の美しい字を見て
育ったからではないかと思います。
美術商の子どもが本物だけを見るよう育てられて
真贋の見分けがつくように、
美しい字を見て育てられればある程度の字を
書けるようになる、と…

父は幼少の頃から書道をやっていました。
その過程でどこかで学んだのか、
七夕の朝に里芋の葉の上に溜まった
朝露を集めて墨をすり、
字を練習すると字が上達する、
という中国の言い伝えを
私は小学校低学年の時に
実行させられていました。
当時は今みたいに早起きではなかったので、
朝たたき起こされて、よくわからないままに
近くの里芋畑に連れて行かれて、
葉の上に溜まった朝露を
ガラス瓶に集めて持ち帰り、
墨をすって筆で字を練習しました。
何て書いたのかなあ…
きっと「七夕」とでも書いたのでしょう。

そんな幼少の思い出や
学校で硬筆・毛筆を習っていた時は
その魅力なんてこれっぽっちも
わかっていませんでした。
でもわけのわからないままに
やらされていたからこそ、
大人になってから興味を持つこともある、
のではないかと思います。
今でも書道のなんたるかはわかりませんが、
父の書く書道スタイルの年賀状が
うらやましくなり、
同じスタイルを踏襲しています。
中央に青墨で干支の字を、
右上に濃くすった黒い墨(つまり通常の墨)で
漢字二文字の挨拶を書き、
左下に印を押すスタイルです。
毎年父が辞書を引いて挨拶の言葉を決め、
お手本と書き方の解説を書いて
送ってきてくれます。

それを見て練習するのですが、
何をもって「よし、本番を書こう」と
判断しているかは、
完全に「なんとなく書き慣れた」です。
毎年干支文字と挨拶の言葉が
変わっているのですが、
私のなんとなく雰囲気で書いているようでは
手に取った方には違いがきっと
わからないでしょう。
受け手もなんとなく雰囲気で、
お願いしたいと存じます。